先日、ある方から
会社に入社してきた新人社員の愚痴を

聞きました。

その方が何度もこぼしていたことが、

「言ったことができない」

ということでした。

仕事なのですから、

言ったことができていないのは

まずいですよね。

しかし、長年大勢の人の教育に携わってきて

わかったことですが、

「人は言ってもできない生き物だ」

ということです。

まず、耳で聞いただけではできません。

実際にやってみせることが大切です。

「百聞は一見にしかず」です。

しかし、それだけではまだできません。

人は、耳や目から得た情報に体験が伴って初めて

「わかる!」ものなので、

やらせてみなければダメです。

そして、それが一回でできることもあれば、

何度も繰り返してはじめてできることもあるのです。

その姿を見守り続けることが

「育てる」ということだと私は考えます。

山本五十六が

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて

ほめてやらねば、人は動かじ」

「話し合い、耳を傾け、承認し、

任せてやらねば、人は育たず」

「やっている、姿を感謝で見守って、

信頼せねば、人は実らず」

という名言を残しています。

私はいつもこの言葉を心に刻みながら

人と向き合うようにしています。

時々思い出していないと、

なかなか成果が出ない生徒さんを見ていて、

つい焦ったり、

「もう!なんでできないの?」

と思ったりしてしまうからです。

でもこんな途方もない作業、

仕事の現場でじっくりやっている余裕なんて

なかなかないのではないでしょうか?

だからこそ「スクール」の存在が
貴重だと思うのです。