職人として、

こだわったいいものを作り上げ、

それがわかるお客様に

日々喜んでいただけるのは

極上の喜びです。

しかし、そうやって

いい仕事をしていると、自然と、

もっと大勢の人の役にたつことが

要求されるようになります。

一人で普通にやっているだけでは、

役にたてる人の数は限度があります。

「私はこのままの状態を続けたいから、

お客様をお断りしたり、

何ヶ月も待っていただくしかない。」

そういうスタンスで、

こだわりの技術を貫くのが職人

といえばそうなのかもしれません。

以前は私もそういうところがあったので、

その考え方もよくわかります。

しかし今は断然

自分を必要としてくれている人がいるのなら、

できるだけのことをして

お役に立ちたいと考えています。

大勢の人の役に立つのには、

自分だけでは限界があります。

どうしたって誰かに手伝ってもらったり、

自分と同じことができる人を

育成していかなければなりません。

「え~?

人を雇うとか、人を育てるとか、

そんなことをやるために

頑張ってきたのじゃない。

それにそんなの自分に向いてない。」

という声が聞こえてきそうです(笑)

職人だったわけですから、

「向いてない」ことが多いのではないでしょうか。

私は仕事って基本、

向いてるとか向いてないではなく、

やっているうちにだんだん向いてくる?

ものなのではないかと思うのです。

何事も経験です。

自分で自分の枠を決めてしまわずに、

まず一歩踏み出してみて欲しいのです。

きっと、

職人でいるだけでは味わえない、

特別な喜びが得られるはずですから。